帯状疱疹とはとても痛い病気なのですが、痛みも皮膚の発疹が治る頃にはなくなります。しかしその後遺症として、痛みのみが残ることがあり、これを帯状疱疹後神経痛といわれているのです。良い治療法が帯状疱疹後神経痛はなく、えぐられるような、引き裂かれるような、焼けるようなそんな激痛があるといわれており、鎮痛剤を使用しても効果がありません。しかし、うつ病の患者さんに使われる抗うつ剤という薬が効くことがあります。また、痛みがおきる経路は、知覚から交感。そして運動神経に過剰なほどの緊張が出て、各所の血流の減少が起きるのです。神経組織にある性質の変化を、この局所の血流低下は援護し、「痛みの悪循環」を作り上げるのです。帯状疱疹後神経痛を防ぐことのポイントには、つまり血流を局所に対して減少させない事なのです。
血流を改善することの基本には、血管を弛緩させ、交感神経の緊張を緩めることで、神経ブロックや、入浴が有効なのです。温めるという行為で、皮膚にある血管を拡張させることで血流を良くする薬、トウガラシの有効成分でもあるカプサイシンの塗り薬、カイロ、お風呂に入ることで温めると、痛みが軽減される場合があります。帯状疱疹後神経痛の時期にはもうウイルスは活動していないので、抗ウィルス剤の効果はないのです。また、痛みが帯状疱疹の治癒後も、高齢者の場合は残存する事が多く、長期にわたって帯状疱疹後に痛みがあることを訴える患者のうち70%が60歳以上なのです。
高齢者にくらべて免疫能力が高い若年者は、痛みを長期にわたって訴えるということが少ないので、こうしたことが帯状疱疹後神経痛に関係しているのだと考えられているのです。PHNと呼ばれる帯状疱疹後神経痛は、VZVと呼ばれる水痘・帯状疱疹ウィルスの再活性化が原因で引き起こされて発症しますが、水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化することを今の段階で防ぐ方法はありません。しかし、水痘・帯状疱疹ウイルスが増えることに伴い、急性期の炎症が神経に生じておこる痛みには、鎮痛薬や局所麻酔による神経ブロックなどを使うことによって、徹底的に押さえるといった効果があります。